ラブラドール・レトリーバーは「飼いやすい犬」として
しばしば紹介される人気犬種です。
家庭犬として評価も高く、
初心者にもおすすめされることが多いこの犬種。
でも、実際に暮らし始めてみると──
「家具を壊された」
「ソファの中身が出てた」
「リモコンがない!と思ったら粉々」
SNSでは“破壊王”とまで呼ばれる一面も。
ラブラドールって、
本当に“飼いやすい犬”なのでしょうか?
この記事では、
その“飼いやすさ”の本質と、
「どうしたら破壊王にならないか?」という視点から、
ラブラドールとの暮らし方をお伝えします。
ラブラドールは本当に飼いやすい?
ラブラドールは、
人懐こくて穏やか、攻撃性が少なく、
学習能力も高い──確かに、飼いやすい要素は揃っています。
ただし、それは「きちんと育てられたラブラドール」の話。
✔ 放っておいても問題を起こさない
✔ 勝手にいい子に育ってくれる
──そんな犬では決してありません。
子犬期にどれだけ信頼関係を築けたか。
どんな環境で暮らしているか。
“飼いやすさ”は、
犬の資質だけで決まるものではないのです。
ラブラドールが“破壊王”になる理由とは?
子犬期の社会化が不十分
ラブラドールは賢く、好奇心も旺盛。
だからこそ、社会化の経験が乏しいと、
刺激のなさをストレスに感じてしまいがちです。
結果、「噛む」「引っ張る」「壊す」
という行動で発散することがあります。
運動や刺激が足りていない
毎日散歩しているのに暴れる──
という相談もよくあります。
体を動かすだけではなく、
頭を使った遊びやトレーニング、
人との関わりなど、心の刺激も必要です。
信頼関係が築けていない
ただ一緒にいるだけでは足りません。
「この人といると安心する」
「一緒にいると楽しい」
そう思ってもらえる関係性を築けているか。
それが、犬の行動に大きく影響します。
我が家のラブラドールが壊さない理由
見ていられないときは、クレートで安心
我が家のラブラドールたちは、
「壊す」という行動をしません。
それは特別に訓練したからではなく、
壊されるような環境に置いていないからです。
✔ 誤食の危険があるものは片付ける
✔ 壊されそうな物がある部屋には入れない
✔ 人の目が届かないときは、クレートで休ませる
壊す暇も、壊す理由も与えない。
これが、シンプルだけど確実な対策です。
一緒に過ごす時間を大切にしている
我が家では、
犬をリビングの“家具の一部”にせず、
一緒に生活を共有するパートナーとして迎えています。
声をかける、目を合わせる、同じ時間を過ごす──
それが、犬の安心感につながり、
問題行動の予防にもなっています。
気質や血統も、見えない下支え
ブリーダーとして繁殖に関わる立場からも、
「壊さない=育てやすい気質」は、
親犬の性格や環境づくりが大きく関わると感じています。
落ち着きのある親犬、
しっかり社会化された子犬たち。
環境と遺伝の両面がそろってこそ、
“壊さない”子は育ちやすいのです。
魅力的なパートナーに育てるために
問題行動には必ず“理由”がある
犬が何かを壊したとき、
「悪い子」「バカ犬」と叱るのではなく、
なぜ壊したのかを考えてみてください。
・退屈だった
・不安だった
・構ってほしかった
その理由がわかれば、
「壊す」という行動そのものが減っていきます。
散歩だけでは足りないかも
ラブラドールは運動好きですが、
散歩だけで心も体も満たされるとは限りません。
一緒に何かをする時間──
ボール遊びや簡単なトレーニング、におい探しゲームなど、
“人と関わる楽しさ”があると、満足度はぐっと上がります。
環境づくりは「犬のため」だけじゃない
人も、犬も、お互いにストレスが少ないことが大事です。
家具を守るためにではなく、
誤食や事故を防ぐために。
そして、犬が安心して過ごせる場所として、
クレートやゲートの設置を前向きに取り入れてみてください。
実際、我が家でも誤食の事故がありました。
ビリー(当時8ヶ月)は、
猫用のおもちゃを丸呑みし、開腹手術を受けることに。

その後も布マスクや布巾を飲み込み、
誤食は一度きりではありませんでした。
彼の場合、壊すことはなくても、口に入れてしまう癖があり、
環境の見直しと、“見守れる距離感”の徹底が必要でした。
誤食は命に関わります。
「大丈夫だったからうちも大丈夫」ではなく、
どの子にも起こりうるリスクとして受け止めてください。
実はビリーも、その後服従訓練をきっかけに変化がありました。
訓練というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、
彼にとっては「頭を使う時間」と「褒められる喜び」が何より嬉しかったようです。
今では、指示を待って目が合うのをじっと待ち、
「褒めてもらえるチャンス」をいつも探しています。
行動の背景には、犬なりの理由があります。
そしてそれは、飼い主との関係性や環境によって変えていけるものです。
まとめ|“壊さない”は育て方で変えられる
ラブラドールが“破壊王”になるのは、
その子が悪いわけではありません。
✔ 満たされていない
✔ 一人ぼっちにされている
✔ 適切な環境じゃない
そんな暮らしの中で、
自然と“壊す行動”が生まれてしまっているのです。
逆に言えば──
その子に合った育て方と環境さえあれば、
ラブラドールは最高のパートナーになります。
飼いやすさは、最初から備わっているのではなく、
迎え方と暮らし方で育てていくもの。
“壊さなくていい暮らし”を、
ぜひ一緒に作ってあげてくださいね。
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